【2025年春】新卒社員が続々スピード退社…いったい何が起きているのか?

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【2025年春】新卒社員が続々スピード退社…いったい何が起きているのか?

はじめに

2025年4月、多くの企業で新入社員の入社式が行われ、新たな門出を迎えるフレッシュな社会人たちの姿が見られました。しかし、その一方で、入社初日から会社を辞めるという「スピード退社」の事例が相次いで報告され、SNSやニュースメディアを中心に大きな話題となっています。

退職代行サービス「モームリ」によると、入社式当日に5名の新卒社員から退職の依頼があったとのこと。なぜ、社会人生活の第一歩を踏み出したばかりの若者たちが、わずか1日で会社を去る決断をするのか。その背景には、現代の働き方や若者の価値観の変化、企業とのミスマッチなど、さまざまな要因が浮かび上がっています。

本記事では、2025年春に起きた「新卒スピード退社」の実態と、その背景、そして企業側に求められる対応について詳しく解説します。

退職理由から見える「違和感」と「不安」

入社式で怒鳴られる?衝撃の事例

ある企業では、入社式の最中に社長と新入社員が口論になり、その後、社長が「なめてんのか」と新卒社員を廊下で怒鳴ったという報告がありました。式典の最中に社員を罵倒するという行為は、組織としての姿勢が問われる重大な問題です。

この出来事は、当該社員にとって職場に対する「不信感」と「恐怖感」を生み出し、「こんな会社でこれから何年も働くのか」と考えた結果、即日退職へと至ったといいます。

入社前研修での精神的ダメージ

別の新卒社員は、入社前の研修の段階で、指導担当者から「看護学生と社会人は違う」「覚悟が足りない」といった厳しい言葉を浴び、強いプレッシャーを感じていたとのこと。社会に出る前に心が折れそうになり、入社式当日には体調を崩してしまったという証言もあります。

これらのケースから見えるのは、新卒社員が「社会人としての第一歩」を踏み出す前に、組織からの期待とプレッシャーに押しつぶされているという現実です。

想像とのギャップが生む「心身の限界」

理想と現実のズレ

「接客が好きで入社したが、実際にはノルマやプレッシャーばかりだった」「クリエイティブな仕事だと思っていたが、単調な事務作業が中心だった」

このように、入社前に描いていた理想と、現実の業務とのギャップにショックを受ける新卒は少なくありません。

心身の不調から退職を選択

ある女性新入社員は、「配属前の段階で、働くことを想像するだけで吐き気がした」とコメントしています。心の不調は体にも現れ、出社前に動悸や過呼吸の症状が出たことで「自分は働ける状態じゃない」と判断し、入社当日に退職代行を利用したといいます。

若者の価値観が変わった時代背景

「我慢することが美徳」からの脱却

一昔前までは、「まず3年働け」「石の上にも三年」といった言葉が、新社会人の“定番ルール”として存在していました。しかし、今の20代前半は、災害やコロナ禍など多くの社会的混乱を経験してきた世代です。

「自分の時間を大事にしたい」「心身を壊してまで会社にしがみつきたくない」という考えが広く浸透しており、合わない環境から早めに抜け出すという選択を「合理的な行動」として捉えているのです。

退職代行という“選択肢”

また、退職代行サービスの普及も、こうしたスピード退社を後押ししています。以前は「辞めたくても辞められない」といったハードルがありましたが、今ではLINEやメール一本で退職手続きが完了する時代です。

「とにかく一刻も早くこの環境から抜けたい」と感じた時に、退職代行が心理的な後押しとなり、即日退職という選択につながっているのです。

企業側が今、真剣に考えるべきこと

1. 入社式や研修の見直し

新卒社員にとって、入社式は「企業との初接点」です。そこで高圧的な対応をされた場合、企業に対する信頼は一瞬で崩れてしまいます。

2. ミスマッチを防ぐ情報開示

採用活動の段階で、企業側が業務内容や社風などを「ありのまま」伝えることも重要です。

3. メンタルケアと伴走型支援

産業医やメンター制度など、専門的なケア体制を整えることが求められています。「困ったらすぐ相談できる」仕組みがあるだけでも、安心感は大きく変わります。

おわりに:スピード退社は“甘え”なのか?

一部では「最近の若者は根性がない」といった声もありますが、そうした一方的な価値観だけでは問題解決にはなりません。

若者がなぜ「辞めたい」と感じたのかに、企業がしっかりと向き合う姿勢こそが重要です。

2025年春に起きた「新卒スピード退社」は、若者の心の声を社会がどう受け止めるかを試されている出来事でもあります。

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